AIの成熟度:成功企業(Thrivers)と、現状維持企業(Survivors)

概要

概要

IDCのAI成熟度ベンチマーク調査の結果を、Linus Lai氏が解説しました。 この調査では、AIの成熟度において、優れた成果を上げている「成功企業(Thrivers)」と、未だ初期段階にある「現状維持企業(Survivors)」を比較しています。 成功企業は全体の上位10%にあたり、そのうち76%がAI活用の高度な段階にあるのに対し、現状維持企業の73%は、初期段階に留まっています。

成功企業はAIを戦略的資産として位置づけ、ガバナンス、戦略、業務全体に統合しています。組織全体でAI戦略を持ち、統一されたガバナンス体制や変革推進部門を有している割合は、現状維持企業の4~8倍と高い傾向があります。

技術面では、AIプラットフォーム、データ統合、インフラ整備においてリードしており、「エージェント・アズ・ア・サービス(Agents as a Service)」も活用しています。 組織文化面でも、エージェント主導の業務モデルへ再設計し、リーダー層の連携やチェンジマネジメントにも積極的に取り組んでいます。

このような成功企業は、AIを戦略、技術、人材の各側面に浸透させることで、イノベーションと組織変革を推進しています。

プレゼンテーションはこちらからダウンロード

Image cover

主なポイント

keynote 4-1
AI成熟度における成功企業と現状維持企業

成功企業はAI成熟度で大きくリードしており(ステージ3以上が76%)、AIを事業部門、ガバナンス、イノベーションにわたる戦略的資産として位置付けています。一方、現状維持企業は、依然として初期段階に留まっています。

keynote 4-2
戦略とガバナンス

成功企業は、AIガバナンスを戦略と連携させ、全社的なAIロードマップを策定、導入し、AIの活用拡大や組織の壁(サイロ)の解消に向けて中央組織を活用する可能性が、現状維持企業の4倍高くなっています。

keynote 4-3
テクノロジーとインフラ

成功企業は、AIプラットフォームやデータ基盤、インフラ整備において優位性を持ち、エージェント型AIをさまざまなアプリケーションに組み込んでいます。「エージェント・アズ・ア・サービス」を活用することで、単なるスキルギャップ解消にとどまらず、業務効率化も図っています。

keynote 4-4
人材と企業文化

成功企業は、エージェント主導のワークフローを中心とした業務モデルへ再設計を進め、経営層の連携強化やAIエージェントによる業務最適化に取り組んでいます。また、AIを活用した変革プログラムを通じて、従業員を効果的に導く能力は、現状維持企業の約3倍に上ります。